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関節疾患

関節疾患について

関節疾患について

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肩、肘、手首、膝、足首など、体にはたくさんの関節があります。関節には、骨と骨をつなぎながら、体をスムーズに動かす役割があります。関節疾患になると、関節を動かす時に痛みが生じ、基本動作を行うのもつらくなり、日常生活に支障をきたします。
そして関節痛の多くは、関節に加わる衝撃を吸収してくれる軟骨や骨が磨り減ったり変形したりすることにより起こります。
足の関節を使う動作には、歩く・しゃがむ・正座する・あぐらをかくといったものがありますが、関節痛によってこれらの動きが制限されると、生活の質(QOL)は大きく下がってしまいます。
そして、関節の症状のなかでも特に多いのが、膝の痛みです。

膝の痛みについて

膝の痛みをもたらす関節疾患として特に多いのが、変形性膝関節症です。膝関節のクッション役をしている軟骨が老化によりもろくなって磨り減り、そこに筋肉の衰えが加わることによって軟骨への負担が増し、痛みはさらに強くなります。

変形性膝関節症

膝関節の軟骨が磨り減り、関節炎や変形が生じて、膝の痛みと水が溜まるなどの症状が現れる疾患です。
初期では立ち上がり、歩き始めなど動作の開始時のみに痛み、休めば痛みは消えます。
しかし、だんだんと正座や階段の昇り降りが困難になり、末期になると、安静時にも痛みがとれなくなって、膝関節の変形も目立ってきます。また、膝をピンと伸ばして歩くようなことも困難になります。
原因としては肥満や遺伝素因も影響しますが、主なものは関節軟骨の老化であり、年齢とともに増加します。
また、骨折、靱帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することもあります。

変形性膝関節症の治療

変形性膝関節症の治療法には、「保存療法」(手術によらない治療)と「手術療法」があります。

保存療法

痛み止めの内服薬や外用薬を使ったり、膝関節内にヒアルロン酸の注射などを打ったりして治療します。
また、太ももや膝まわりの筋肉を鍛えて膝関節を支える力を強くすることが大切です。
さらに関節可動域改善訓練などの運動器リハビリテーションを行ったり、膝を温めたりする物理療法(ホットパック、マイクロ波療法、低周波療法など)を併せて行います。
足底板(靴の中敷き)や膝装具を作成して、治療の一助にすることもあります。支持装具(一本杖、松葉杖、歩行器など)は、痛みを伴う動作から関節を保護し、負担を軽くしてくれます。

手術療法

上記のような保存療法でも治らない場合は、手術療法を検討します。
手術療法には、関節鏡(内視鏡)手術(膝の中にカメラを入れて骨棘(こつきょく:骨のとげ)を処理する)、高位脛骨骨切り術(骨を切って変形を矯正し、膝の内側にかかる負担を軽くする)、人工膝関節置換術(変形した部分を人工の部品で置き換える)などがあります。

※ほかに、前十字靱帯損傷や半月損傷など、スポーツ外傷・障害による膝の痛みもよくみられます。こうしたケースについてもご相談ください。

※関節疾患には、膝関節症以外にも非常にたくさんの疾患がありますが、どこかの関節に痛みや違和感を覚えたら、なんでもご相談ください。